モデルハウス見学関係
2021.04.04
雪をどうする!?建物の配置、屋根のカタチをチェックする
北海道でモデルハウスを見学するときは、どうしても「冬」の暮らしが気になりますよね。家探しをしている方たちも「まず暖かい家」をこだわりのひとつに挙げると思います。老朽化した家、古い集合住宅では構造も暖房システムもすでに時代遅れとなり、ここがマイホーム検討のひとつのきっかけになることでしょう。そして、ここは北国北海道。冬の暮らしでは、「雪」についても考えないといけません。雪が積もったときはどこに雪を捨てるの?そして屋根のカタチから想定できる落雪場所は?このふたつを考えて、モデルハウスを見学しておきましょう。
まず道路と建物の位置を考えましょう
道路が南側にある場合、建物は北側に配置
道路が南側にある時は建物を道路から離した北側に配置させます。そして南側の空いた敷地は庭や駐車場にすると良いでしょう。この場合、車は玄関前などに縦に駐車させると、南側の敷地がスッキリとします。ここが主に雪を捨てる場所になると思ってください。さらに屋根のカタチを見ましょう。フラットか、または南側へ雪が落ちるようになっていますか。三角屋根の場合は敷地内に落雪するようになっているのか、大体でいいので確認しましょう。カーポートなどを設置すると玄関前の雪除けにもなりますが、カーポートに積もった雪の始末もしなければいけません。これも結構面倒なので、よく考えておきましょう。
道路が北側にある場合、建物も北側に配置
北側に道路がある場合は建物も北側に寄せて、南面は庭などにします。ここで注意したいのは駐車スペースが道路前に十分あるかどうかです。北側に車を駐車することになりますので、屋根のカタチはフラットか南面に落ちていくような片流れ屋根が望ましいですね。ここでも三角屋根にしたい場合は、落雪した雪の場所が敷地内に収まるかが大切。雪の多い地域では三角屋根でも、屋根の雪下ろしをしなければいけないエリアもありますので、その下ろす雪の場所=南面の庭しか場所がないので、北側に道路がある場合は敷地にゆとりが欲しいところです。
道路が東西にある場合、どちらも道路側から建物を離す
道路が東西側にある場合は、道路前に庭や駐車スペースを作り、建物は奥に配置します。こうすることで、南面が開けるため採光を十分確保することができます。このケースでも雪処理を考えるとフラット屋根か片流れ屋根が理想と言えるでしょう。三角屋根のときは敷地にゆとりがある時、そして落雪した雪が敷地内で処理できる広さが必要になるでしょう。
屋根を見る!無落雪の屋根かどうか確認する
無落雪屋根の種類は主に3つあります。
① スノーダクト方式
屋根の中央に設置されたダクトに向かって緩く傾斜しているので、雪解け水はダクトを通って排水されます。
② フラットルーフ方式
屋根が平らで、雪を乗せたまま維持できます。わずかに傾斜がついているため、雪解け水は排出されます
③ スノーストッパールーフ(勾配屋根方式)
三角屋根に雪止めを設置して、雪が落ちにくく、ストッパーに雪があるうちに溶けてしまいます。雪解け水は妻側から流れ落ちます。雪の多い地域で三角屋根を希望する場合はこのスノーストッパールーフを採用すると良いでしょう。
見学したモデルハウスの屋根を見て、どの種類で雪処理についてどう対処されているのか、担当者に確認しても良いと思います。見た目だけでは分からないことはどんどん聞いてみましょう。
玄関の上にもポーチ屋根がほしい
雪処理、落雪などを考えると、玄関にはポーチ屋根を取り付けるのがポイントになります。この屋根があることで、雪や雨が引き込むのを防いでくれますし、外観のアクセントにもなるでしょう。
多い雪のトラブル、ご近所にも気を配りましょう
雪のシーズンになると、問題になるのが雪処理のトラブル
案外と多いのが、雪処理、落雪などのトラブルです。特に豪雪地帯などでは、深刻な問題にもなるでしょう。
ではここで、どんな問題が起きるのかその例を上げてみます。
- 自分の家の後ろの家が、こちらの敷地に向かってくる片流れ屋根なので、屋根の雪が全部、自分の敷地に落ちてくる
- ご近所の人が除雪車を使って家の雪を道路の角に置くので、道路がどんどん狭くなって車で移動しにくい
- お隣の玄関横に高い雪山があるので、車を出すときに確認しづらい
- 隣の屋根からの落雪が、我が家のホームタンクを直撃して故障してしまった
- 隣の家からの落雪で、車が少し凹んでしまった
- 隣が朝の3時から除雪をするのでうるさい、眠れない
- 向かいの家が何度注意されても路駐をするので、除雪車が入りにくい
- 市の除雪車が間に合わなく、歩道がないので車道を歩くことに
- 市の除雪車が大きな雪の塊を家の前に置いていくので、処理が大変
- 除雪車が来ないので、道路に出るのも大変
- 公園に勝手に雪を捨てている人がいる
などなど、少し例をあげてみましたが、雪国では近隣で協力しあいたいものですが、やはりトラブルも起こります。他にも、排雪する場所がなくて、近所の空き地に賃料を払って雪捨て場にしているのに、どさくさにまぎれてそこに勝手に雪を捨てる人がいるなど、こうした問題も出ているようです。また高齢者の自宅の除雪を高額で行うなど、あまり良い話ではありませんが、困っている人間に付け込む人も出てきますので、できれば助け合いの心を持ちたいものです。長いシーズンになるだけに、トラブルはできるだけ避けるようにしましょう。
雪処理に便利な設備もチェックしましょう
どうしても大変な雪の処理。ここでは設備にも少し触れてみましょう。雪処理をスムーズに行うために、雪の多い地域では「ロードヒーティング」や「融雪溝」などを利用する家が多くあります。
お馴染みのロードヒーティング
「ロードヒーティング」はお馴染みだと思いますが、玄関前のアスファルト部分を温めて、雪を溶かしてくれます。その種類はボイラー式、ヒートポンプ式、電熱線式などがありますが、工事費や自宅の事情を踏まえてセレクトすると良いでしょう。ただし大雪が降ったときは間に合わずにきっと雪は積もりますし、毎日使っていても光熱費がかかりそう。ここは上手にコントロールをして、ロードヒーティングを使いこなしましょう。
雪をどんどん落として溶かす、雪国ならではの設備「融雪溝」
そしてもうひとつ。雪を落として溶かす「融雪溝」です。北海道でポピュラーなのはおそらく地下水式だと思いますが、2m以上の穴を掘り、そこに雪を捨てて地下水で溶かすというモノです。頑丈なフタもついているので、その上を歩いても大丈夫。水の温度は高くなるように調節できますので、雪をそこに捨てるだけで溶かしてくれるスグレモノです。設置費用は結構高額になりますが、敷地に余裕が無いときは、非常に便利な設備といえます。雪をママさんダンプで運んで落とすだけなので、いわゆる「雪はね」のように上に積まなくても良いので、力もそんなに必要ありません。
ぜひ機会があれば検討してほしい設備です。
以上、雪と家について説明してきましたが、暮らすエリアの積雪事情も含めて、雪処理の問題、落雪は?など、冬の暮らしを想定して上手な家探しを行いましょう。
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