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北米住宅の魅力と特徴

北米住宅の魅力と特徴

アメリカ住宅の歴史は、開拓初期から始まります。イギリス、オランダ、カナダ、フランス、スペインなどから移民がアメリカに渡り、自分たちの国の文化や各国の住宅をそのままアメリカでも建築し、それぞれの色分けができるようになったといいます。またこうしたさまざまな文化の融合がアメリカの特徴にもなり、主にヨーロッパの伝統的な要素、様式などを受け継ぎながら、独自のカラーとしてアメリカの文化が出来上がりました。このヨーロッパの模倣をしていた時代は「新古典主義」と言われていましたが、1800年代に有名建築家「フランク・ロイド・ライト」のプレイリースタイルの登場で、アメリカの住宅がオリジナルに近づき、そして現在に至っています。このようにアメリカ住宅の歴史を簡単に振り返ってみると、まず移民による文化がベースにあったということが分かります。

こうした歴史を踏まえながら、北米風の住宅を日本で建てる場合どこをポイントにしたら良いのか、じっくりと考えてみましょう。

北米住宅の伝統的なスタイル「コロニアル様式」

歴史はイギリス移民の住宅が始まり

植民初期にイギリス移民が建てたのがこのコロニアル様式の原型となる住宅でした。外壁は木造の下見板張り。イギリスの漁村で網小屋として存在していた建物に似ているといいます。ここから長い時代を経て、より美しく断熱性能の高い住宅へと進化し、現在の北米住宅として確立されました。

壁は美しいラップサイディングに

北米住宅の特徴としてポイントになるのは、まず外壁が横貼りのラップサイディングです。木造下見板貼りが進化したものですね。このラップサイディングには多彩なカラーがあり、それを均一に横に貼っていきます。耐候性の高い塗装と防汚機能を持つ表面コーティングにより、仕上がりの美しさを長く保ち、メンテナンスにも手間がかかりません。時代を重ねても美しい外壁は、住まいの価値も高めてくれます。また、カラーは好みでセレクトしてください。スマートなホワイトでも良いですが、鮮やかなピンクやイエローでもステキな外観になるでしょう。

上げ下げするダブルハングウインドウにデコラティークヴォレー

「コロニアル様式」北米住宅の特徴に「窓」もあります。この窓の横によくある格子状のモノは鎧戸、またはデコラティークヴォレーと呼ばれ、これもさまざまなカラーが揃っています。例えば外壁はビビッドでホワイトの窓枠、そしてさらにカラーの違うデコラティークヴォレーでも、きっとステキな外観となるはずです。またこれだけでも、魅力的な洋館の雰囲気を出してくれるでしょう。

カバードポーチとドーマー窓

連続するコラムで支えた玄関前のカバードポーチはコロニアル様式の最も特徴的なモノと言えるでしょう。このカバードポーチというのはテラススペースの屋根と考えてください。ここを広くするとカルフォルニアでよく見かけるサーファーズハウスのようになり、テラスを存分に活用することができます。
また、ドーマー窓、半円形のハーフサークルウインドウなどがステキな外観をさらに彩ってくれます。玄関ドアは木製が多く、外観の魅力をここでもアップしてくれます。


ドーマー窓も特徴のひとつです

ドーマー窓も特徴のひとつです

屋根は三角屋根や寄棟などさまざま

屋根は三角屋根や寄棟などさまざまなスタイルがあります。輸入住宅で北米の住まいを建てたいときは、この屋根の形状と外観のスタイルはできるだけシンプルにしておくと、予算的にもあまり負担にはならないでしょう。できれば三角屋根が予算を考えるとベターです。

外観のアクセントも忘れずに

外観のアクセントとしては、妻飾りが代表されます。思い思いのデザインで、住まいにステキなパーツを取り付けてあげましょう。また小屋裏換気を取る換気ベントと呼ばれる格子状のフタのようなものも、ちょっと見ると愛らしい円形がオシャレな感じ。ここもステキなアクセントになるでしょう。


ガレージ付きで暮らしやすそうな「コロニアル様式」の住まい

ガレージ付きで暮らしやすそうな「コロニアル様式」の住まい


周囲にべランダを巡らせた「ヴェランダ・コロニアル様式」の名建築。国指定重要文化財「泉布観」

周囲にべランダを巡らせた「ヴェランダ・コロニアル様式」の名建築。国指定重要文化財「泉布観」

レンガ調タイルの「ジョージアン様式」

「ジョージアン様式」の始まり

中・上流階級の住まいは、イギリス初期の「ジョージアン様式」が始まりです。当時の簡素な「コロニアル様式」とは違い、イギリスで流行していたルネサンス様式がその原点になります。そのイギリスでの「クイーン・アン」と呼ばれたものがアメリカ初期の「ジョージアン様式」と言われています。「コロニアル様式」同様に、この「ジョージアン様式」もイギリスがベースとなっているのが分かりますね。

外壁は赤いレンガ調タイル、シンメトリーなデザインがポイント

外壁には赤いレンガ調のタイルを使い、重厚感のある雰囲気で仕上げた邸宅風なのがジョージアンスタイルです。窓や玄関ドアなどはコロニアルスタイルと変わりませんが、壁がレンガ調というだけで高級感があり、移民初期の中・上流階級だった住まいというのが頷けます。
外壁は赤いレンガ調タイルが多く、ブラウン系、またはホワイト系などカラーはさまざま。また違うカラーのレンガ調タイルを組み合わせたり、アクセントの一部に使ってもステキな外観となるでしょう。

「ジョージアン様式」の屋根と外観

「ジョージアン様式」は寄棟屋根が多く、外観中央は三角屋根にし、そこには半円形のハーフサークルウインドウを付けて、ステキなワンポイントとしています。また、先ほどあげた換気ベントも半円形にすることがあり、これも雰囲気を作ってくれます。

玄関ポーチは建物の奥に設置する

ジョージアンスタイルの玄関ポーチは建物の奥に設置することが多く、カバードポーチを作ることなく、雨や雪をしのぐことができます。さらに玄関前にはポーチを立てて小屋根を作り、オシャレなファサードにする住まいもあります。もちろん、「コロニアル様式」に寄って、カバードポーチを付けても良いでしょう。そこはお好みで、好きなデザインにしてみましょう。

ディティールへのこだわりや煙突もポイント

三角屋根の庇飾りペディメント、そして軒下のディンティルモールディングなど、ディティールにこだわった部分も、住まいの風格の重要な要素です。こうした小さなところにも目を向けて、北米風住宅に注目してみましょう。また、住まいづくりによっては、大きな煙突も特徴となります。暖炉や薪ストーブなどを使いながら、ゆったりと部屋でくつろぐのも良いですね。安らぎのひとときを演出してくれるこのストーブも、寒い冬には欠かせないものになります。


「ジョージアン様式」の住宅。レンガの壁とアーチを描く窓が魅力的

「ジョージアン様式」の住宅。レンガの壁とアーチを描く窓が魅力的

北米風住宅の内装とインテリア

ステキな北米風住宅、オシャレな内装にしましょう

内装はステキなクロスで、スペースごとに代えてもおしゃれで、アクセントカラーをひとつ決めておいて、バランスの良い内装を目指しましょう。ここでレンガやレンガ調クロスを一部に使うと「ブリックリン風」の空間にもなります。また、塗り壁にすると、自然素材の風合いも楽しめます。ここもやはり予算が問題。あまり高級感はなくてもオシャレにしたい!こんなときは、クロスを上手に使い分けましょう。

フローリングは無垢材で

床材のフローリングはやはり無垢材が心地よいですね。年月が経ってもその味わいを楽しめ、深みを増していく無垢の魅力。お手入れをマメにしながら、できるだけ無垢材のやさしい肌触りも感じてください。

インテリアはアンティーク風に

インテリアは、北米の歴史を感じるようなアンティーク感、ヴィンテージ感を出すと、さらに魅力のある室内になります。ダイニングセット、リビングセット、そしてチェストやフロアスタンドなどは猫足だと、さらに北米の暮らしを身近に感じることでしょう。ファブリックも現地のモノだと、さらにステキな雰囲気を生み出してくれます。


暖炉のあるリビング。石を使った高級感のあるデザインです

暖炉のあるリビング。石を使った高級感のあるデザインです