片付け上手の家〈玄関編〉

家づくりをスタートして、プランを考えているときに案外と見落としがちなのが玄関スペースだと思います。玄関の目的としては、まず、家族の出入りする場所、そして接客する場所。さらに家族の靴などを納める下駄箱に、ついでにコートも掛けたいし大きなバッグなどもそこにまず置きたい。どうせならベビーカーも折りたたんで置いておきたい。などなど、考えだしたら、玄関に収納したいモノは結構ありますよね。下駄箱もひとつでは、レインブーツやロングブーツ、長靴などが入らないかもしれません。そこで、収納たっぷりで片付けやすく、そして迎えるお客様のために見栄えのする玄関について考えてみましょう。

玄関こそ収納したいモノがたくさん

玄関の上手な収納方法を考えてみましょう

先に書いたように玄関には収納したいモノは結構あります。靴だけの場所ではないと考えましょう。良くあるケースでは、玄関ホールを広めにしてコートなどを掛けるハンガーをまず置いています。以前は木製のモノが主流でしたが、今ではコートハンガーもさまざまなタイプが増えています。例えばアイアンタイプで掛ける場所がいくつも付いていて、デザイン性が高くてオシャレ。こんなハンガーなら使いたくなりますね。また、壁に取り付けるフックの付いたステキな壁式ハンガーもあります。どちらも魅力はありますが、家族全員の分と考えると、このコート掛けはどこかに隠して収納したいモノのひとつです。

普通の玄関ですね。下駄箱は大型ですがこれでは靴だけの収納スペースとなってしまいます。ここから工夫していろいろ考えてみましょう

コートハンガーです。玄関ホールに良く置いていますね。コートなどのアウターの他に帽子もこうして掛けています

傘も玄関の片隅から隠して収納したい

そして玄関に置くモノとしては傘がありますね。どこのお宅でも傘立てがあると思います。この傘立てもコート掛けと一緒に、違う場所に置きたいモノです。玄関に置いているとスペースも取りますし、見栄えもあまり良いとは言えないでしょう。できれば隠して収納したいモノと言えます。

玄関に家族の傘を置いておくと、スペースも取るので結構邪魔になります。できるだけここには置きたくないモノですね

そこでシューズインクロゼットを追加する

隠したいモノたちの収納スペースを作りましょう

隠して収納したいモノたちは下駄箱とは違うスペースに置きたい。でも通常の玄関の広さでは無理かもしれません。下駄箱の他に収納できる場所を考えてみても、そこが狭い場合はまた面倒なことになります。ではどうしたらよいのかというと、シューズインクロゼットを作ることで下駄箱を排除し、クロゼットと下駄箱を合体させた空間を作りましょう。そしてこれはプランニングのときに提案しておくことです。

玄関横に作るシューズインクロゼット

玄関横にシューズインクロゼットがあると、靴の他にも収納がしやすくなります。どんなプランがあるのか、ここで実例を見てみましょう。

下駄箱の他に折り戸の付いたシューズインクロゼットをプランしています。下駄箱と折り戸は同じ木目なので、統一感もあり、上手にプランしています

このシューズインクロゼットの中は上部に棚があるので、靴や小物はここに収納。ハンガーも掛けられるようになっていますので、アウターはここで整理することができるでしょう。またロングブーツや長靴、傘、ベビーカーなどもここにスッキリと置くことができそうです。

このシューズインクロークは可動棚を2カ所に設置して、ブーツや長靴も設置しやすいようになっています。またパイプも取り付けているのでアウターなども掛けられますね

このシューズインクロークはスペースを目いっぱい活用できそうです。棚が大きなところはブーツなどの長い靴をそして隣の棚では普通の靴などを整理します。またパイプが付いていますので、コートなどのアウターもここに掛けやすいでしょう。スペースにゆとりがあるので、傘立てはもちろん、ベビーカーや三輪車など、子ども用のアイテムもここで整理できるでしょう。

ベビーカーが置ければ、ママも整理しやすくて散歩にも行くのが楽しくなるでしょう

こちらは玄関横にシューズインクロークをオープンにプランしています。可動式の棚を設けているので、靴はラクラク収納。そしてベビーカーなども置くことができるでしょう

このような下駄箱を兼ねるシューズインクロゼットは大変便利ですが、扉が無いので玄関からは見えてしまいます。そこでいつもキレイにお掃除することを心がけておくと、よりカッコイイ場所にもなります。コート掛けのハンガーや傘立てなどもここに置いてしまいましょう。

シューズインクロゼットは通り抜けができるともっと便利

動線が2wayになります

この玄関とシューズインクロゼットは通り抜けができるとさらに便利になります。例えばクロゼット側からはすぐ洗面室に行けるなど2wayの動線も考えやすくなりますので、工夫してプランしてください。では玄関とシューズインクロゼットをつなげている実例を見てみましょう。

引き戸を採用した玄関につながるシューズインクロゼット。撮影しているところは玄関からつながるホールです

玄関に引戸を付けてそこからシューズインクロゼットに。ホールへと通り抜けができるため、玄関から、そしてクロゼット側からの2wayの動線が可能です。この場合、クロゼット側からは洗面室などに行けるとより機能性も高まるでしょう。

土間玄関もゆとりがあってカッコイイ

土間玄関は広く伸ばすことで2wayの動線が可能となります

土間玄関は古くは農家などの作業用裏玄関として使われていましたが、今ではオシャレ感いっぱいの魅力ある空間となっています。広い土間玄関は収納たっぷりでもちろん2wayの動線が実現でき、自分の趣味のアイテムやサーフィンボードや自転車などをディスプレイしてもステキです。こんな土間玄関の実例を見てみましょう。

玄関土間を広くして、奥にはシューズインクロゼットがあります。土間側からそしてシューズインクロゼット側からの出入りができます

このように土間を広げて、完全にくつろぎのスペースとしてプランするのも住まいの大きな魅力ポイントになります。ここではベンチやチェアを置いて、ひと休みできる場所にするとともに、魅せるオシャレな玄関スペースにもしています。住まいの広さに余裕があるときは多少リビングを狭くしても、こんな土間玄関+シューズインクロゼットは魅力あふれる住まいとなるでしょう。

この土間玄関は上がり框も同時に伸ばして、2wayで行き来がしやすいプランとなっています。靴の他にアウターや小物、グリーンを置いて、オシャレな印象に仕上げています

この土間玄関の特徴は上がり框も同じ長さとし、土間に出ることなく移動ができることです。また、収納棚は可動式なので、家族構成が変わっても上手に収納力を活用できるでしょう。またパイプを通してアウター掛けとし、外へ出るのもラクにしています。グリーンなどがあちこちにあり、かわいいスリッパ入れなどオシャレなスペースですね。この広さなら子ども用のベビーカーやおもちゃ、三輪車なども置けるでしょう。

そして見せ場もつくっておきましょう

接客する場所なので美しく

最後に玄関は接客をする場所なので、どこかに見せ場も作っておきましょう。例えば窓にお花を並べたり、グリーンを置いたり、潤いに満ちた空間としてもプランしてください。

こんなお花のスペースがあるとより魅力的な玄関になりますね

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